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第42話 幸せの在処

Penulis: 柳 雪音
last update Tanggal publikasi: 2026-06-27 15:51:37

白石は答えられなかった。

「それで、君はどう幸せになるんだ?」

会長室は静まり返っている。

(どう幸せになるか、だって?

そんなこと、どの口が言うんだーー?!)

神崎家が、どれだけの人を苦しめて来たか……

白石は拳を握りしめて言葉を探した。

だが見つからない。

神崎グループに入る理由なら説明できる。

会社を変えたい。自分の力を試したい。

だが——。

自分がどう幸せになるのか。

そんなことを考えたことはなかった。

蓮は静かに言った。

「ハッキリさせておく」

白石は顔を上げる。

「オレは家族より会社を優先する」

その声に迷いはなかった。

「安全な職場。従業員の命。そういうものが第一だ」

窓の外に広がる雲城市を見ながら続ける。

「収益はそのための手段に過ぎん」

白石は黙って聞いていた。

「仕事と仲間への敬意」

蓮は淡々と言う。

「オレはそれだけで生きている」

静かな言葉だった。

だが不思議な重みがあった。

「だから」

蓮は白石を見る。

「お前に父親らしいことをしてやれるとは思わん」

白石は何も言わない。

「白石悠真、君が神崎グループに加わるというなら、仲間として歓迎しよう」

長い沈黙。

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